V.バックのマウスピースは近年たびたび値上げが続いていて、2023年7月には再度大幅に値上げされました。
現行モデルのV.バックのトランペットマウスピースは現在、定価 10,450円で販売されていますが、今後さらに値上げが続く可能性も十分あります。
リムはやや丸みを帯びたラウンド気味の形状で、厚すぎるリムやフラットすぎるリムが苦手な方にも良いと思います。
リップのコントロールがしやすく、跳躍を含むフレーズや音の立ち上がり(アタック、タンギング)がとても演奏しやすいリムです。
リムの内側エッジからカップにかけてグイッとえぐりが入ってます。
バテてきても唇がカップの内壁に当たりにくく、またえぐりによってわずかにカップの容量が増して、リム内径のサイズ以上に音量や音色が豊かになってます。
V.バックの同じ「Cカップ」でも、6Cや3Cと比べるとわずかに深めのカップ容量があり、豊かな音色がします。
カップ内には敢えて旋盤の加工跡をヘアライン状にうっすらと残してあって、カップの中で息の流れや響きが微妙に複雑な乱反射をすることで良い音色を生み出すという話も聞きます。
7Cにしてはカップからスロートにかけてやや広めの形状になっていて、わずかにダブルカップ気味のデザインになっている点が興味深いです。
軽く吹いても安定した息の流れが得られて、キンキンとした明るすぎる音色にならない点も好ましいです。
V.バックの「〜C」のつく型番には、バックボアは標準的なNo.10という番号がつけられたスタンダード・バックボアが採用されていますが、この7Cはバックボアを覗くと通常のスタンダードバックボアよりもわずかに広めのバックボアになっているように見えます。
バックボアは外側からは見えにくい部分なので分かりづらいですが、音色や音程、息を入れた時の抵抗感に大きく影響を与える箇所です。
V.バックの古い時期のものは、製作された時期や職人さんによって良い意味でわずかに個体差があるので、1本1本がほんの少しずつ違って奥が深いです。
シャンク先端はV.バックの通常の旧刻印のマウスピースと比べても、薄めで繊細に仕上げられています。
サウンドは輝かしく、かつふくよかで、大きいマウスピースのように高音が出しにくかったり、長時間の演奏ですぐにバテることもない、扱いやすいマウスピースです。
唇の操作の自由度と、音量と音色の豊かさの両方を確保できるリムサイズですので、見栄を張って大きすぎるマウスピースをむやみに使うより、このような中庸サイズのマウスピースを使う方が、良い結果が出せる場合も多いように思います。
7Cは歴史的にヴィンセント・バックのトランペットを購入すると標準で付いてくるマウスピースですが、ロシアの伝説的トランペッター、故チモフェイ・ドクシツェル氏などのトッププレイヤーも使用していたオールマイティで優れたマウスピースです。
マンハッタン・ジャズ・クインテットなどでも活躍した故ルー・ソロフ氏は、晩年はニューヨーク時代のV.バックの7Cを使用することもあったようです。
状態はところどころ小キズとシャンク部にわずかなメッキ落ちが見受けられますが、どれも演奏にはまったく支障ありません。シャンク部以外の銀メッキの状態は良好です。
マウスピースの表面とリム、カップ内からバックボア、シャンク先端まで、綺麗に洗浄して適度に磨いてありますので、汚れなどの心配のまったくない清潔な状態にしてあります。
V.バックの状態の良い旧刻印のものはどんどん数が減ってきているようで、この時代のマウスピースを探している人も多いと思います。
現在のV.バックのマウスピースと比べると、見た目やそのハンドメイド感がまったく違いますし、何より吹いてみればその音色、吹き易さ、その他すべてにおいてまったく別物と言っていいと思います。
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